僕はヨットマンだった。 ヨットと言うのは不思議なスポーツだ。普通風が吹けば 飛ばされて風下に流されていく。でも、ヨットと言うの は風上に進んで行くのだ。しかもその時が一番スピード がでるのだ。艤装と言って帆などを取り付ける準備をす るが、これがとても大事で、なるべく広く、ピ〜〜ンと 張らないとスピードが出ない。ものぐさ人間には面倒な 作業である。 で、海に出ると最初は「ちん起こし」と言うのをやる。 変な想像をしちゃだめあるよ。わざと船をひっくり返し て沈没させて、それを起こすのである。しょっちゅうひ っくり返るから起こすのにも慣れないといけない理屈で ある。ヨットには船の真ん中にキールといって海流に 流されないように海に突き出た板がある。それに乗って 揺り起こすのだ。これを何回も繰り返す。体力消耗する。 一番爽快な時は強い風に向かって(クローズホールド) 切りあがって行く時だ。帆に風をいっぱいはらませて 風に負けないように体を船の外に張り出す。ものすご いスピードで波を切って行く。水飛沫も心地よい。 写真は大昔のもの。雪ちゃんも僕も若かった。船はカタ マランで、ハワイかな。船のスペースを広く取れるけど、 転覆するともとに戻せない。うちの近くに平川ヨットハ ーバーがある。今は見学のみである。 |