だったシリーズ13 ヨットマン

僕はヨットマンだった。
ヨットと言うのは不思議なスポーツだ。普通風が吹けば
飛ばされて風下に流されていく。でも、ヨットと言うの
は風上に進んで行くのだ。しかもその時が一番スピード
がでるのだ。艤装と言って帆などを取り付ける準備をす
るが、これがとても大事で、なるべく広く、ピ〜〜ンと
張らないとスピードが出ない。ものぐさ人間には面倒な
作業である。
で、海に出ると最初は「ちん起こし」と言うのをやる。
変な想像をしちゃだめあるよ。わざと船をひっくり返し
て沈没させて、それを起こすのである。しょっちゅうひ
っくり返るから起こすのにも慣れないといけない理屈で
ある。ヨットには船の真ん中にキールといって海流に
流されないように海に突き出た板がある。それに乗って
揺り起こすのだ。これを何回も繰り返す。体力消耗する。
一番爽快な時は強い風に向かって(クローズホールド)
切りあがって行く時だ。帆に風をいっぱいはらませて
風に負けないように体を船の外に張り出す。ものすご
いスピードで波を切って行く。水飛沫も心地よい。
写真は大昔のもの。雪ちゃんも僕も若かった。船はカタ
マランで、ハワイかな。船のスペースを広く取れるけど、
転覆するともとに戻せない。うちの近くに平川ヨットハ
ーバーがある。今は見学のみである。

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